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立ち位置。

敬老の日、一人暮らしの祖母に

「帰れなくてごめんね、長生きしてくれてありがとう」

って短いながら電話で話した。


祖母はいつものように早口で

「ありがとう、ありがとう」

と照れながら、そそくさと電話を切った。


祖母らしいなー、と、思った。



朝、目が覚めて

母から

「おばあちゃん、あなたとお姉ちゃんから

電話があったこと、喜んでいたよ」

そう言われた。


離れて住む姉は、

そういうコトは、欠かさない。



そういうコトの大切さを、

身にしみて知っているから。



数人いる孫の中で

祖母も嬉しかったんだろうな。

早朝から母に電話したのだという。


どんなに眠っていなくても

たいてい6時にはワタシも起きているのに

それよりも早く、に。




友達に手紙を書いたの。


自作のポストカードで。


でも、ほかにも贈りたい物があって

結局大きめの封筒にいれた。

封筒を持ち、ふと、指先が動いていることに

少し経って気付く。



『「智恵子抄」で知られる、

高村光太郎の妻・智恵子は、

その人生の後半の数年、精神を患った。

元々油彩画家であった智恵子は、そうした病中にも

切り絵という手段で表現を続けた。

最初は、その辺にあるお菓子の包み紙などを使って

果物や花を切り絵にしたのだが

やがて色紙を欲しがるようになったという。

私は以前、そんな作品をいくつか目にしたのだが

そのとき、非常に驚かされた。

この話から行くと初期の作品だと思うが、

ありものの包装紙や紙袋などを使って

いかにもリアルな「柿」がそこに、表現されているのを目にしたのだ。

その柿をよく見ると、包装紙らしく、屋号やロゴが入っている。

でも、この絵をぱっと見ると、

みずみずしく丸い、つやつやの柿の実が描かれているようにしか、見えない。

彼女の切り絵作品は有名で、本にもまとめられているが、

私は、その包装紙が「柿の色に見えた」というのがショックだったのだ。

なぜそんなふうに見えるのだろう?

長い間疑問に思っていた。』



この文章を読んで、

すごく切り絵が見たくなってしまって

マスキングテープを

封筒にせっせと切っては貼り、を繰り返していた。



そして

手紙を出しに行くついでに

ひたすら写真を撮っている。



そしたら、花の蜜を吸いにきていた蝶々が

飛んで逃げるのかと思いきや

カメラを向けるワタシのほうに

ふわり、寄ってきてくれた。



蝶々の視線は、カメラに向けられている。

それは、ワタシにも、不思議とわかった。



なにがってワケでもないんだけど

いろんなこと、

すごく、今こころに響くんだ。



祖母の照れくささとか

切り絵の予想されるリアルさとか

蝶々の優雅さとか。



引き寄せられる_____。



今までの溜め込んでいたツケが

ついに、ってくらいまで来ていて

リハビリしたり、メンテナンスしたりしてるワタシ。


そんな最中。


こころが凝り固まっていなくて、よかった。



こころの赴く方へ

カメラを向けたら

やっぱり、そらがあった。





見上げてその先。

すこし離れた場所で、

今日、彼女はステージで歌っている。



「頑張ってね」

の返事が

「サンクス!!」

っていうのも、彼女らしいの。


不思議と、メールをくれたりするタイミングも

なんだか去年と同じ時期。


「アー写でも、作るかー!!」

って冗談ぽく言っていたけれど

こちらこそ、また撮りにいくよ。

今度はフェンスだって、よじ上れるからね。



ワタシを取り巻いてくれるひとが

今日もどこかで、

しっかりと息をしていてくれる。




そこにいてくれるから、

ワタシもワタシでいられるんだ。


ありがとう。



そんなことを、ふと思った日。



場所が変われど

ワタシ。

ちゃあんと、影を作って立っていたようです。

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